唐宋館珍品
邛窑黄緑釉高足瓷炉
晚唐~五代のもの
口径14㎝、高さ15㎝
成都金河路遺跡から発掘出土
邛窑は、四川の有名な古代の陶瓷窑であり、南北朝から始まり、唐・五代・两宋時代に最盛期になり、宋元時代に衰退しました。その製品は四川盆地各地でも見られ、代表的な製品としては、隋唐時代の白瓷、唐代の釉下彩絵瓷器、そして晚唐五代の邛三彩があります。この邛窑黄緑釉高足瓷炉は豆の形の炉体をしていて、高い柄足、子口(蓋に近い部分)、蓋無し。口縁と足に黄釉が施されています。炉体全体に三重の蓮の花びらが作られ、各重の花びらに菩提枝を手持つ飛天が刻印されています。緑釉で塗られた三重の蓮の花びらはまちまちであるが整然としていて、花びらの先端に釉が多く、釉の色の濃淡が鮮やかではっきりしています。この瓷炉は絶妙で美しく、そして実用的な価値もあり、邛窑瓷器の中でもすばらしい逸品です。