成都博物館について

      成都博物館は中国南西部地域で最大規模の都市総合博物館であり、国家一級博物館に指定されている。その歴史はすでに67年に及ぶ。2016年に新館が完成し公開されて以来、延べ来館者数は2,100万人を超えている。博物館は「成都中国皮影博物館」の名称も併せ持ち、2006年に国務院によって認定された四川省初、成都市唯一の国家レベルの博物館である。「全国文物系統先進集団」「全国最も革新力のある博物館」「四川省先進基層党組織」など多くの栄誉を受けている。

      博物館の敷地面積は約17ムー(約11,300㎡)、総建築面積は約6.5万平方メートル、展示面積は約2万平方メートルに及ぶ。「花重錦官城:成都歴史文化陳列(古代、近世、民俗の三部構成)」「影舞万象 偶戯大千:中国皮影・人形劇展」「人と自然:ベリン寄贈展」の三つの常設展示を有している。既存の所蔵品は30万点近くあり、新石器時代から近現代に至る、時代的に連続した完璧なコレクションシリーズを形成している。博物館の職員数は現在92名で、平均年齢は37~47歳、そのうち上級職称者34名、修士・博士号取得者56名。

      ここ数年来、党委員会政府の強力な支持のもと、、「人民の博物館、大衆への奉仕」という核心理念と、「一つの博物館は一つの大学である」という指導思想を深く実践し、メカニズムと体制の改革によって内在的な活力を効果的に引き出す。その結果、文明の継承、都市文化イメージの構築、都市の応接間としての機能発揮など、多方面で顕著な成果を上げている。

      2022年、成都市委員会・市政府は中央宣伝部など9省庁の「博物館の高品質発展」要求を実行に移し、市属公益文化機関向けに「機制体制改革実施方案」(略称「一館一策」)を策定し、政策実行の「最後の一マイル」を突破した。この政策は主に次の三つの点に力を入れている:第一に、事業と産業の分類管理であり、主要業務は事業体として遂行し、派生業務は産業化を通じて実施することで、事業が産業の成長を牽引し、産業が事業を支援するという良好な循環を形成。第二に、国家・省・市レベルで策定された人材奨励、科学技術支援、高品質発展政策を一体的に運用。第三に、前向きなインセンティブを実施し、業績配分を専門技術者・現場職員に重点化し、政府・業界・社会が連携する評価体系を構築して、管理の閉ループ化を実現。この政策実施以来、内的活性が効果的に引き出し、国家文物局より「全国文物業界高品質発展事例」として表彰

      博物館は「都市の精神的家郷」であり、公衆の知識の獲得、精神的滋養、美的教育の重要な担い手である。近年、我々は、「成博展覧シーズン」をブランドとし、中華優秀な伝統文化を弘揚し、地域の特色をアピールする一連(例えば、「漢字中国」「列備五都」「中医学の美を発見」「シルクロードの魂——天府の国とシルクロード」など)の高品質な展示を独自に企画・開催してきた。同時に、「ヨーロッパ絵画500年」「メキシコ古代文明展」など、国際的に著名な博物館の展覧も積極的に導入し、国内外の数多くの観客を成都に引き寄せている。年間来館者数は330万人以上に達し、そのうち約70%が省外、約3%が海外からの来館者である。成都の人々にも「成都博物館に立脚し、天下を博覧する」という展覧体験を提供している。

      多彩で質の高い展示を提供する一方で、利便性とサービス品質の向上にも努めている。「週末児童博物館」などの延長サービス施策、祝祭日の延長サービス、14日前からの予約受付、大型連休や夏季休暇期間中の一日あたり入館者数増員、外国人観客の支払い利便性向上などを率先して導入した。教育機能の拡大の面では、「巴蜀文化校园進出」、紅領巾(少年先鋒隊)小小解説員などの活動を展開し、一級博物館としての教育的リーダーシップを発揮しており、博物館を学校・地域社会・農村へと積極的に広げている。数多くの観客を誘致しただけでなく、博物館の境界を効果的に拡大し、博物館の教育機能を強化した。

      文化財の活用促進のため、「這礼是成都」(この贈り物は成都だ)というブランド構築を通じて、文化クリエイティブコンテストを5回連続開催した。清華大学、北京大学、中央美術学院など200以上の一流大学・研究機関、300以上の企業やデザイナーが積極的に応募した。これまでに9,600点を超える文化クリエティブ商品を開発し、文化クリエティブ収益の大幅な向上に貢献している。2024年には8300万元の販売収益は8,300万元に達し、2025年1~8月期には前年同期比4%増の5,200万元を実現している。

      博物館は国際的に通用する文化機関の機能であり、国際民間交流の架け橋でもある。市委員会・市政府の指導のもと、国際友好博物館ネットワーク計画の構築に努めており、既にイギリスの大英博物館、フランスのケ・ブランリ博物館、ファーブル博物館、イタリアのボローニャ市立博物館、ドイツ・ハンブルク博物館、オーストラリア・ヴィクトリア博物館など、27の友好都市の主要博物館と協力関係を締結しているが、さらに来年には、フランス・モンペリエにてファーブル博物館および集美博物館と共同で「中医薬展」を開催する予定である。