唐宋館珍品
陶庭院
後蜀(934-965年)
長さ146㎝、横112.5㎝、高さ45㎝
成都龍泉駅区趙廷隠墓より出土
陶庭院は、正面に大きな玄関、左右には楼閣を建て、後部にも部屋が建てられ、周辺は壁で囲まれた建築物となっている。庭院の内側には中心に位置する楼閣が一軒あり、そのほかにも、陶灶(陶器の竈)、陶井、陶馬が分布されています。漢の時代では、「死して事えること生のときに事えることが如き」という言い伝えがあり、人々は死者が生前使っていたものを陪葬し、または実物と同じ大きさの模型を作り、お墓に埋葬することで、あの世でも使えるようにするという考えがあった。お墓の主である趙廷隠は後蜀の開国に携わった功臣であり、大尉の官職に任命され、三公の位に就任した。この陶底院は彼が生前に暮らしていた屋敷を模倣して作ったものだと推測できる。部屋同士の構成は完璧に一致し、唐代の建築風格を備わっている。そして、墓の主人像1個と男女の人形それぞれ15体残っており、それらの造形は見栄え良く、色彩を施されていて、金色まで使われている部分が見られる。後蜀の貴族生活を存分に表現されている。